【みんなでつくる物語(未完)】
一人一文でつくる物語。あっちいったり、こっちいったり。
漢字・表記原文ママです。ちびっこから大人まで参加しています。
「一年前の約束」・・・なんだったのでしょうね??
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恋ヶ窪駅前のハートのベンチにすわり、わたしは一年前の約束を思い出していた。<赤羽じゅんこさん>
あの頃の地球には、まだ花が咲き、小鳥が空を飛びまわっていた。空の青さがいとしいものだとなくしてみてきづく。
何でこんなことになってしまったのだろう。
人類が火星に移住を開始してから三百年が経つ。こんなことになっているのに、人類はかんきょうが悪い!!月に住もうと考えているらしい。まったくこまったものだ。
何度不動産屋にいっても火星のよい物件が見つからない。
五件目の不動産屋で運命の物件に出会った。
見つけたのは物件だけではない。部屋の窓からいつも見ている彼と出会ったのも運命だったように思う。
『あっ。あの・・・』
ヨレたシャツを着たその彼は、私に語りかけてきた。
『すみません。コインランドリーを探しているんだけど、このあたりにありますか?』と彼は言った。
私はびっくりした。なぜなら、火星にコインランドリーはなかったからだ。
『火星にコインランドリーはないですよ?』
『コインランドリーはないけど、近くに川ならありますよ。きょうは天気が良いのですぐに乾くでしょう。』とやさしそうな、見ず知らずの女性が声をかけてくれた。
久しぶりに人のやさしさに触れたような気がしてとてもあたたかな気持ちになった自分がいた。人はこういうところがいいなぁと、と私はしみじみと感じた。
ん?この女性、どこかで・・・
そう考えていると、彼もこう言った。
ん?あなた、何処かでお会いした事があるような・・・』
その瞬間、体が放り出されるような感覚がした。
わたしはひざから地面にすべり落ちた。よだれをぬぐいながら、なんてヘンテコな夢を見てしまったのだろう、しかも駅前のベンチで眠りこけてしまうなんて、と悔やんだ。
これもすべて、一年前に出会ったあの人が『わたしは火星から来た。』だなんて妙なことを言い出したせいだ。
それからだった私が悪い夢を身始めたのは。
大きな川での洪水、途方もない高さの火山の大噴火、出会ったことのない生物の大群・・・いつも恐怖心を抱きながら目覚めるのだが、その夢の欠片を思い出しながら、その虚像と結びつく何かを、書籍やインターネットで検索すると、いつも現われる映像は火星だった。
一年前のあの人との約束を思い出そうとしてもなかなか思い出せない。しかし、火星がその約束に関係しているのは間違いないように思う。
「よし、火星に行くか」私は一念ほっきして、コツコツとためていたよきんをこの機会に全て使うことにした。
さて、どうやって火星にいくか?そう思案していたところ、ヒラヒラと「火星移住したい方。」のチラシが足下に落ちてくる。私は、さっそくそのチラシを拾って家に持ち帰った。
「もしもし、こちらニコニコ火星不動産です。」電話をかけるとそこには夢の中で五件目に訪れた不動産屋と同じ名前だった。
私は驚きつつも
「あの火星への移住を考えているのですが・・・」と切り出した。
「ありがとうございます!火星への移住は初めてですか?当店では、初めての方にキャンペーンを行っていまして・・・:と不動産は答えた。
「キャンペーンって・・・??」
すると不動産屋は
「火星の好きな場所へ2LDKの家が建てられます・」と答えた。
「3LDKになりませんか?」とカラスと呼ばれる女性は言った。
「そうですね。3LDKでしたら木星がおすすめです。」
すると、電話のベルがなる。
「はい、こちらぶんぶん不動産、はい、はい、えっ?あ、はい、はあ、そうですかぁ、はあ、はい、あーはい、はい、はい、はい、どうもー」
「すみませんねー、いまちょうど木星の物件でちゃいましたねー、残念だねー、どうします!?」
「じぁ、土星はどうです?」
「ダメダメ、土星なんてダメ〜」
「はぁ、わかりました」
「じぁ、火星は?」
「ウン〜ボッともえちゃうかもよ。」
「・・・・・」
こんな不動産屋なんて、ブラックホールに飲み込まれてしまえばいいのに、と思った。
はっと気づくとそこは、夜11時の国分寺駅のホームにいた。あれ?さっきこいがくぼにいたはずだが・・・。
コインランドリーに行けていないことを思い出し、歩きはじめる。途中の夜道で小さな公園の前を通った。ブランコに誰かが座ってゆれている。あの人は、もしかして・・・。
「ん?あなた何処かでお会いした事があるような・・・」と彼に話しかけてみた。
「そうですね。一念前のあの約束、覚えていますか?あれは火星がよく見えた夜のことでした・・」
「もちろん覚えています。ぶんぶんうぉーくの後片付けを一緒にやりましたね。たしか、隣のブースで出店していらして。『一度出会うだけは偶然、二度目なら必然だ』って言ってくれましたね。忘れるはずがありません」