今週のブックタウンおススメ本は、Aさんから
大江健三郎『自分の木の下で』(朝日文庫)を。
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大江健三郎氏が子どもたちに向けて書いたものなのですが、
学ぶこと、自分の頭で考えることについて、
幼少期の思い出やこれまで考えてきたことと織り交ぜながら
丁寧に綴られています。
気に入ったものは書き写すという習慣、
祖母から聞いた「自分の木」の話、
大水で流された少女の選択……。
一つ一つのエピソードが面白く、妙に心に残ります。
子どもへのメッセージとして書かれているので
言葉はとてもやさしいのですが、
その内容はとても深く、大人(わたし)が読んでも
十二分に考えさせられました。
読後は、「知」というものの姿を見せられた!
というような興奮が残りました。
「もっともっと深く学び、
静かに考えていく人になりたいなあ」と、
浅はかでよそ見の多い私は気持ちを新たにしました
たくさん挿入されている、奥様の挿画も優しく美しいので、
緑美しいこの季節にゆったりと読むのにピッタリです。
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うっ、読みたくなってきましたね~。
自分のお気に入りの木の下で本を開くと
気づかなかった自分の気持ちに出会えるかも。
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