【西国図書室、開室から3年たちました】
西国図書室室長の篠原です。西国分寺に引っ越しをして、自宅図書室をはじめて3年経ちます。
自宅を図書室にしている、というと聞かれるのは
・本が好きなんですね?
・どうして始めたのですか?
・「本が旅する」というテーマは?
・「本籍証」の仕組みはだれが考えたのですか?
・はじめから決めていたのです?・・・ということ。
それに対して・・・
「別に本でなくてもよくて、たまたま本でした」
「はじめは何も決まっていませんでした」
「じぶんひとりで考えたわけではなくて、仲間と一緒に考えてかました」とお答えしています。
たまたまなのですが、「図書室」をやることに決めて、壁塗りをして、本棚を並べたのがちょうど3年前。
当時の記録を振返ってみました。西国図書室の仕組みがちょっとづつできてくる過程です。
こんな過程を経ての4年目。ゼロからイチへ踏み出さないとなにもはじまらないのだよね、と改めて感じます。はじめの一歩を踏み出すのに躊躇している人の後押しになるとうれしいです。
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<2012年2月20日>
住み開き、はじめます。手持ちの本をならべたささやかな図書室です。むかしは洋裁店だった家にちょっと手をいれて作りました。本を手がかりにちょっとだけまちとつながった暮らしができれば…と考えてます。どんなことができるのかは、これから動きながらみつけていきます。まだ出会っていないどこかの誰かとの素敵な出来事が生まれるはず。ゆっくりゆっくりやっていくので、久しぶりのみなさまとも、どこかで会えると嬉しいです。
<2012年2月26日>
本日からはじめた『図書室』のある暮らし。何ができるだろう?でも、はじめれば動き出すはず・・と一歩進んでみました。図書室だから、当然本を並べるのですが、いつものように「背の高い本はこっちの本棚、文庫はこっちで、漫画はここ」と進めているとどうもしっくりこない。好きな本屋さんは編集されてるよなと、いまさらながら思いつき、前日夜にかみさんとふたりで書棚を編集。これが面白い。20のジャンルに編集していると互いに持っていても絶対触れなかったはずの本がとなりに並んだりする。僕が技術のくくりで宇宙と原発の本を並べていたら、いつのまにか占星術の本が隣にあったり。。この作業おすすめです。
さらに作業を進めると、我ながら楽しい本棚になってきました。楽しくなってきたところで、何も決めていなかったことがもうひとつ浮上。「やっぱり本借りたくなるよね」「でも、貸すと本は少なくなるし、悪気なくてもなかなかかえってこないこと多いし・・」との話に。うーん、どうしたものか。。と考えることしばし。
「じゃあ、貸し借りならどう?貸し借りなら、本の数は変わらないし、『あの人が読んだあの本』って興味そそる」というわけで急遽、本一冊をもちよりシェアするしくみで西国図書室をはじめることとあいなりました。
貸し借りしていくうちに書棚が夫婦ふたりの色から訪れたひとたちの色が混ざり合って化学反応をおこしていく場になる。うん、たのしそう。一年後には前日の晩にやったような書棚つくりを訪れた人たちと一緒にたくさんの本を持ちよってつくってみたいなー、と目指す方向がちょっとみえてきました。
さて、初日。
なつかしい顔、はじめての顔、でもどこかで興味がつながっていたり、まさにいま隣町でおうちカフェをはじめた!なんて話も。極め付きの偶然は、ほんの一ヶ月前に知り合い、二度ペンキ塗りをてつだってくれたみさちゃんが、ながいつきあいの友人と小学校時代の同級生だったこと。こんな出会いがあるから、一歩踏み出すことはおもしろい。
<2012年3月3日>
「本が旅する」
西国図書室開店一週間。夜の図書室談義がとまりません。その中で浮かんだ言葉です。人が旅で出会うように、本もまだ読まれていないどこかの誰かとの出会いを求めている。我が家に滞在中の数冊の本を手にとり、本もここにいることを楽しでくれているように感じてます。西国図書室から旅たつ本、訪れる誰かの大事な本との出会いを楽しみにしてます。明日、開店しています。本一冊お持ちいただければ、一冊貸し出します。
<2012年3月20日>
本の交換の記録をのこすツールつくりはじめました。つかってみて、改良!
<2012年4月15日>
ロゴマークのハンコつくっちゃいました。
<2012年8月26日>
本を旅にださせる「本籍登録」をはじめました。いろいろな人に本を読み継いでもらうことです。期間は1年から3年。西国図書室の本棚に並べて、貸出しをしていきます。読み継がれ、成長した本が旅を終えて手元に帰ってくる仕組みです。きょう一日で30冊の本の山。どれも本のもちぬしにとって大事な本ばかりです。それぞれの本には、本とのなれそめ、本のおすすめを書いた紙を貼ってあります。なかには書き込み自由の本もあり(持ち主の選択で決められています)
さっそく旅にでた本が6冊。どんな旅になるのか、楽しみだな。